スポーツの力を活用した共同体形成及びSDGs達成に係るASEAN宣言の実現推進プロジェクト(サッカーに焦点)

提案者:ASEAN事務局
実施機関:Portas Consulting Limited

背景

スポーツは、持続可能な開発のための2030アジェンダで概説された目標を推進する上で極めて重要な役割を果たすとされており、社会的包摂や、健康、教育の機会となる。ASEANは一貫して、ASEANスポーツ5ヵ年計画(2021年~2025年)を元に、ASEAN共同体ビジョン2025を実現するため、スポーツの力を活用してきた。

さらに、ASEAN地域の経済・社会的発展に伴い、スポーツの重要性は高まりつつある。これは、インドネシアで開催された2018年アジア競技大会やカンボジアで開催された2023年東南アジア競技大会など、複数のASEAN加盟国が主要な国際スポーツイベントを主催したことからも明らかである。さらに、スポーツの力を活用した共同体形成及び国連持続的開発目標(SDGs)達成に係るASEAN宣言は、これらの達成におけるスポーツの不可欠な役割を強調している。

しかし、実際には、スポーツの影響力を活用して有意義な効果を得ることは、ASEAN地域内で未だ課題である。課題は主に、(1)主要なステークホルダー間の十分な理解と協力が得られていないこと(2)ベストプラクティスのデータ不足(3)具体的な行動を実現するための適切な戦略、ツール、能力が不足していること に起因している。

これらの課題に対処するため、日本政府は日・ASEAN統合基金(JAIF)を通じて、ASEAN Football4SDGsプロジェクトの実施を支援している。

プロジェクトは何を目指している?

本プロジェクトは、具体的な取り組みやパートナーシップを通じて、SDGsに貢献する手段として、スポーツ、特にサッカーを活用することを目的としている。この試みは、相互利益と協力の成功を促進し、それにより地域の繁栄を高めようとするものである。具体的成果としては以下の通り:

  • ASEANのサッカーに関する報告書の作成
  • サッカーを通じてSDGsを達成するための、国際的なベストプラクティスをまとめた包括的な報告書の作成
  • サッカーを通じてSDGsを推進するためのツールキットの作成
  • カンボジア、インドネシア、タイの3つのパイロット国における対面ワークショップの実施
  • サッカーを通じた日・ASEAN SDGsフォーラムの実施
  • サッカーを通じたSDGs達成のためのASEANマスタープランの作成

我々は、2023年9月1日にチェンマイで開催された、東南アジア諸国連合(以下ASEAN)および日本のスポーツ大臣で構成される第4回日・ASEANスポーツ大臣会合(以下、第4回AMMS+Japan)において、ASEAN Football4SDGsプロジェクトの実施を皮切りに、スポーツを通じてSDGsを達成することに合意する:ASEANのニーズに基づく潜在的な協力分野を特定し、ステークホルダーの認識と能力を高めるため、スポーツの力を活用した共同体形成及びSDGs達成に係るASEAN宣言を発表する。

2030年に向けたスポーツ分野における日・ASEANの協力拡大を目指した「チェンマイ宣言」

2023年9月1日 タイ・チェンマイ

本プロジェクトはASEAN社会・文化共同体(ASCC)ブループリント2025、特にアクションラインE.1.VI スポーツにおける協力を促進し、総合的かつ包括的なスポーツプログラムを開発し、健康で活動的なライフスタイルを奨励する に貢献している。さらに、同プロジェクトは、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)に概説されているテーマ分野のひとつであるSDGsの、目標3を支援している。

本プロジェクトは現在進行中で、202510月に完了予定。

2024年5月31日

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