JAIFの情報・メディア支援
背景
効果的な情報発信と認知度の向上は、ASEAN統合とコミュニティ構築を支える重要な取り組みの一環である。情報とメディアこそがASEANのアイデンティティ形成の核である。2015年にASEAN共同体が正式に設立され、ASEAN政治・安全保障共同体(APSC)、ASEAN経済共同体(AEC)、ASEAN社会・文化共同体(ASCC)の3本柱のもと、ルールに基づく人間志向、人間中心のASEAN共同体実現に向けて、さまざまなセクターの努力を相乗させるために、これまで以上に重要な役割を果たすことになる。
出典: ASEANのビジョンは、”ASEAN: A Community of Opportunities for All “という包括的なメッセージに込められています。
ASEANの情報セクターは、「ASEAN Strategic Plan for Information and Media 2016-2025」に沿って、次のことに取り組んでいる。1)共同体の他の柱やセクターのコミュニケーションニーズに応える。2)ASEANが実施する政策やイニシアティブを推奨する。3)ASEAN発展の恩恵をASEANの人々に発信する。また、ASEANやASEAN共同体の組織、成長、ビジョンに関するメッセージを伝えるためのフレームワークを提供する、「ASEAN Communication Master Plan (ACMP)1」もこのセクターの重要な要素である。
日本は、特にテレビ放送に関して、ASEAN諸国との二国間及び多国間協力の長い歴史がある。2016年、フィリピンで開催された第1回日・ASEAN情報担当高級実務者会合(SOMRI+J)における「ASEAN-Japan Cooperation Initiative for Broadcasting and Television」を通じて、日本とASEANはパートナーシップを強めてきた。このイニシアティブを通じて日本とASEANは、現在の技術的発展と地域の文化・社会的特性を考慮しながら、6つのプロジェクトに着手した。2
支援分野と
主な貢献
ASEAN Strategic Plan for Information and Media 2016-2025 の主要戦略を支援する、様々なJAIFプロジェクトが実施されてきた。これまでに実施されたJAIFプロジェクトの主な成果は以下のとおり。
「海洋プラスチックごみ問題に関する番組作成を通じた ASEAN域内の放送事業者の番組編集能力向上」は、ドキュメンタリーテレビ番組制作の能力を高め、海洋プラスチックごみ問題への認識を高めることを目的として、現在進行中。
1 ACMP I 2014-2017および ACMP II 2018-2025; ACMP I は、日 ASEAN 統合基金 (JAIF) を通じて日本政府が支援をしている。
2 ASEAN-Japan Initiative for Broadcasting and Television in 2016-2017に貢献した6つのプロジェクトは、(i)第2回日ASEANテレビ祭、(ii)防災と文化交流における日本アセアンパートナーシップのドキュメンタリー(いずれも「メディアと放送における協力の促進」カテゴリーに属する)、(iii) 日・ASEAN放送コンテンツオンライン正規流通促進ワークショップ、(iv) 日ASEAN協力に関するドキュメンタリー番組の制作を通じたASEAN域内放送事業者の能力向上(ASEAN50周年記念)(いずれも能力開発・人材育成)、 (v) 日ASEAN若年層向け情報メディアリテラシー・プロジェクト、(vi) 日ASEAN次世代放送システムワークショップ(いずれもニューメディアなどメディアネットワーク推進)。