JAIFのデジタルセクター関連支援

背景

最も人口が多く、多様性に富み、競争の激しい地域のひとつであるASEANは、世界でもトップクラスのデジタル経済圏になることが予想されている。世界経済フォーラム(WEF)は、ASEAN地域のデジタル経済が、今後10年間で同地域の国内総生産(GDP)に推定1兆米ドルの経済効果をもたらすと推測している。12021年は、デジタル分野におけるASEANの協力関係が20年となる節目の年。2本セクターは、ASEANの統合と共同市場への転換を実現する重要な分野となっている。

ASEANは、「ICTマスタープラン2015」「ICTマスタープラン2020」に続き、「ASEANデジタルマスタープラン2025」を策定した。同ワークプランプランは、「安全で革新的なデジタルサービス、テクノロジー、エコシステムを備えた、先進的なデジタルコミュニティおよび経済ブロックとしてのASEAN」を構想している。「ASEANデジタルマスタープラン2025」は、以下のような8つの望ましい成果(DO)を実現するために、単一の共有ビジョンを明示することを目的としている。


出典:ASEANデジタルマスタープラン2025

日本とASEANは、ICTインフラ、規制、ネットワークセキュリティ、スキルなど、デジタル分野での協力を進めてきた。2021年1月の第1回日ASEANデジタル大臣会合では、「ASEANデジタルマスタープラン2025」のビジョン達成に寄与する「日ASEAN ICTワークプラン2021」を双方で承認した。

支援分野と
主な貢献

JAIFは、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)のフラッグシッププロジェクトをはじめとする、幅広いプロジェクトを支援している。AJCCBCの設立は、第10回日ASEAN情報セキュリティ政策会議において強調されたサイバーセキュリティ分野における人材育成の必要性に対応するものである。AJCCBCは2018年の設立以来、日本の総務省やタイの電子取引開発機構(ETDA)と協力し、さまざまな能力開発を実施している。

以下は、ASEAN ICTマスタープランに沿ったJAIFの支援と、これまでに完了・実施されたJAIFプロジェクトの主な貢献内容である。

 

 

JAIFは、現在進行中の「日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(ステップ2-2)」を通じて、AJCCBCへの支援を続けている。さらに、また、「ポストコロナにおけるデジタルディバイド解消に向けた政府職員への能力構築」は、デジタルディバイドを狭めるために必要な政策や規制を策定する政府関係者の意識・能力を向上させることを目的に承認された。このプロジェクトは、2023年の「日本・ASEAN友好協力50周年」を記念するプログラムの1つとして位置づけられている。

2022年11月30日 現在

1https://www.weforum.org/projects/digital-asean

2ASEAN デジタル セクターは、以前は ASEAN 情報通信技術 (ICT) セクターとして知られていた。セクター名は、2019 年 10 月に正式に変更された。