熟練した助産師のためのニーズ検証ワークショップ
提案者 | : | ラオス保健省 |
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実施機関 | : | ラオス保健省 |
背景
妊産婦死亡率(MMR)は、その国の全体的な健康状態を評価し、医療インフラ整備への重要な要素である。世界的に見ると、この比率は2000年から2017年の間に、出生10万人あたりの死亡数が342人から211人へと38%減少している。[1]これは大きな成果であるものの、カンボジア、ラオス、ミャンマーにおいて、妊産婦死亡率(MMR)は依然として高い。具体的には、それぞれの国で160人、185人、250人となり、ASEAN加盟国全体の平均である104人よりも高い数値となっている。[2]世界保健機関(WHO)によると、妊産婦死亡の94%はリソース不足の環境で発生しており、熟練した助産師(SBA)の支援を確保するなど、妊娠、出産、産後を通じて質の高いケアを提供することで予防することができる。
カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV)では、助産師の認定制度がなく、研修やスキルアップの期間も統一されていないことから、資格を持つ熟練助産師(SBA)の数が限られていることが課題となっている。ASEAN加盟国の妊産婦死亡率(MMR)を減少させるために、2014年ASEAN保健大臣会合(AHMM)とASEAN母子健康タスクフォース(ATFMCH)を通じた衛生改善に関する高級実務者会合で、熟練助産師(SBA)の研修と認定のための最低要件に関するASEAN地域ガイドラインを承認した。その後、CLMV諸国は、SBAの訓練と認定に向けた取り組みを行ってきた。しかし、熟練助産師(SBA)の能力向上における既存の取り組みの効果に関する情報は未だ不足している。
プロジェクトは何を目指している?
このプロジェクトは、ニーズ検証のためのCLMV諸国への現地訪問、机上調査、調査結果を普及させるためのワークショップを通じて、特に遠隔地や農村部における、認定された熟練助産師(SBA)の数と割合を増やすための、CLMV諸国のニーズを検証することを目指している。 プロジェクトには、CLMV諸国の18人の政府関係者が参加し、評価報告書は以下の情報を含んでいる:
- 参加4カ国における、熟練した助産師(SBA)の既存の能力および研修カリキュラムの違いの評価
- 熟練した助産師(SBA)の研修および認定のための最低要件に関するASEAN地域ガイドラインに従った、研修および認定プログラムの設計への提言
「我々は、緊急産科・新生児への医療サービスのための地域の能力管理強化等、母子死亡率の削減への取り組みを継続することを、再確認した。」
第12回ASEAN保健大臣会合共同宣言
2014年9月18日
ベトナム・ハノイ
「熟練した助産師のためのニーズ検証ワークショップ」プロジェクトは、ASEAN社会・文化共同体(ASCC)ブループリント2025の戦略施策B.2.iv: 基本的社会サービスへのアクセス促進のためのメカニズムの構築に貢献するものである。さらに、「ASEAN統合イニシアティブ(IAI)作業計画IV(2021-2025)」戦略分野5. 保健・福祉 Action 2 農村部の保健サービスの質とアクセスを改善するための技術および能力支援を提供する。に沿っている。
本プロジェクトは、2021年9月に開始され、2022年2月まで実施予定。
2021年11月30日