CLMVにおける2ステップローン・信用保証制度・ベンチャーキャピタルに関する評価とトレーニング

ASEANにおいて、中小零細企業（MSMEs）は基幹産業であり、重要な「成長のエンジン」である。特にカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム（CLMV諸国）においては、全企業の約96パーセントを占めている^[1]。さらに、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム（CLMV諸国）において、雇用と国内総生産（GDP）に大きく貢献している^[2]。その重要性にもかかわらず、CLMV諸国の中小零細企業は、事業を拡大するための十分な資金調達ができないなど、いくつかの課題に直面している。同諸国では、銀行からの伝統的な融資が一般的な資金調達方法となっている。しかし中小零細企業は、マイクロファイナンス機関からの小口融資を受ける資格はないものの、法人向け銀行モデルからの融資を受けるには十分な規模ではない、ということがよくある。特にASEAN統合イニシアティブ（IAI） の戦略的枠組みとの関連で、2ステップローン、信用保証制度、ベンチャーキャピタルといった、代替的な融資によってそのギャップを埋めることが求められている。

日本は、様々なプロジェクトやプログラムを通じて、ASEAN統合イニシアティブ（IAI）とASEANの中小零細企業の発展を、一貫して支援してきた。日本は、特に中小零細企業に関する戦略的分野において、ASEAN統合のためのイニシアティブ（IAI）の作業計画の支援を続けている。中小零細企業を促進するための対応として、プロジェクト「CLMV諸国における2ステップローン・信用保証制度・ベンチャーキャピタルに関する評価とトレーニング」は、「ASEAN統合イニシアティブ（IAI）作業計画III（2016-2020）」で規定されている「中小零細企業（MSME）のための金融へのアクセスを増加」を目的としている。この取り組みを受け、「中小零細企業（MSME）のための金融へのアクセスの増加」は、「ASEAN統合イニシアティブ（IAI）作業計画IV（2021-2025）」の目的の1つとして継続されている。