アチェにおける平和構築と津波からの復興に関する調査

提案者:インドネシア外務省
実施機関:ASEAN平和・和解機構(AIPR)運営評議会 インドネシア代表

背景

2004年にアチェ州を襲った津波の被害からの復興に向けた人道支援は、物理的な復興にとどまらず、同地域における長期的な紛争の解決に大きく貢献した。また津波後の人道支援は、インドネシア・アチェ州において、インドネシア政府と自由アチェ運動(GAM)の間の恒久的な平和構築プロセスの好機となった。

しかし、このテーマについて、特に津波後に人道支援を行ったアクターが、さまざまなレベルの平和構築においてどのような役割を果たし、アチェの恒久的な平和にどのように貢献したのかを調査した文書は、これまで作成されたことがなかった。

プロジェクトは何を目指している?

本プロジェクトは、ASEAN加盟国、国際機関、非政府組織(NGO)、市民社会組織(CSO)と、対話などの平和的手段を伴う平和的紛争解決メカニズムに関する経験を共有することを目的としている。本プロジェクトは以下の活動を通じて、平和構築における津波後の人道支援の役割について調査を行う予定:

  • ASEANの関連機関、ASEANの対話国、学術機関、シンクタンク、メディアの代表者100名を招いたセミナーを開催してパネルディスカッションを行い、意見やフィードバックを得る
  • 出版物やASEAN平和・和解機構(AIPR)のウェブサイトを通じた、教訓やベストプラクティス、政策提言の普及

「1967年に設立されたASEANは、東南アジアの平和を促進することを主な目的としていたことを、誰しもが思い出せるであろう。ASEANの建国の父たちが掲げたこの目的について考えてみると、平和の促進とは、国家間の紛争がないこと、あるいは紛争の発生を防ぐことだけでなく、特にASEAN加盟国を構成する人々の多様性や、ある時にはASEANの人々の間の摩擦を引き起こした多様性を考えると、和解も同様に重要であることがわかる。そのため、人々の間の和解が促進され、実現されることが重要である。」

リム・ジョックホイASEAN事務総長

第7回ASEAN・国連ワークショップ、第5回政治・安全保障協力に係る地域対話 ーASEAN平和・和解機構(AIPR)を支援するための集中的協力 におけるASEAN事務総長の発言

2019年12月3日

アチェにおける平和構築と津波からの復興に関する調査 は、ASEAN 政治・安全保障共同体(APSC)ブループリント 2025、特に Action Line B.4.4 平和、紛争管理、紛争解決に関する研究活動の強化 に貢献している。

本プロジェクトは、2021年から2022年まで1年間実施予定。

30 August 2021