ASEAN地域におけるマングローブ生態系の管理

提案者:Ministry of Environment and Forestry, Indonesia
実施機関:Institute of Mangrove Research and Development, Indonesia

背景

ASEAN地域には、全世界のマングローブ林の40%以上が生育しており、生態学的、経済的、社会的に重要な役割を果たしている。その重要性にもかかわらず、ASEAN生物多様性センターは、過去40年間でマングローブ林が大量伐採され、その約33%が失われたと報告している。ASEANにおけるマングローブ生態系の保全と再生に向けた既存の取り組みを支援・促進・強化するためのASEANマングローブネットワーク(AMNET)の設立など、マングローブ林の破壊を止めるためのいくつかの対策が講じられてきた。AMNETはまた、持続可能なマングローブ生態系の管理を通じて、ASEAN加盟国の沿岸地域に住む人々の住環境と暮らしを向上させるためのプラットフォームとしても機能している。

2014年の第1回AMNET会合では、ASEAN地域におけるマングローブ管理の優良事例や教訓に関する情報データベースの開発に取り組むことに、全メンバーが合意した。データベースを活用した持続可能なマングローブ管理を改善・促進していくため、日本政府は日ASEAN統合基金(JAIF)を通じて、「ASEAN地域におけるマングローブ生態系の管理」と題するプロジェクトの実施を支援している。

プロジェクトは何を目指している?

本プロジェクトは、持続可能なマングローブ生態系の管理を促進するために、AMNETメンバー間のネットワークとコミュニケーションツールを強化することを目的としている:

  • マングローブ管理活動のための統合情報システムのアップグレード
  • インドネシアにおけるモデルサイトの開発
  • 持続可能なマングローブ管理のための地域的戦略の策定
  • 持続可能なマングローブ生態系管理について、ステークホルダーをエンパワーする

どのような活動にも価値があるが、より大規模な協力はさらに重要である。健全で持続可能な森林生態系の管理により、ASEANはまさに、グリーン成長の中心地となることができる。

国際森林デーにおけるプレス声明

2023年3月21日

ASEAN生物多様性センター

本プロジェクトは、森林に係るASEAN協力に向けた戦略的行動計画(2016-2025)の戦略的推進項目1「持続可能な森林管理の強化」に沿ったものである。さらに、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)に示された優先分野の一つである、持続可能な開発目標(SDGs)、特に目標13(気候変動に具体的な対策を)に貢献している。

プロジェクトは現在進行中で、2024年9月に完了予定。

2023年5月31日