JAIFの中小企業支援
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背景
中小零細企業(MSME) は、ASEAN経済における、重要な成長の原動力である。
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出典 :2020 KPI モニタリングレポート..
中小企業(MSME)開発のための日・ASEAN協力は、 「改訂日ASEAN10か年戦略的経済協力ロードマップ(2016-2025)」 にまとめられている。特に「ASEANの経済統合」を促進するため、日本とASEANは、「ASEAN中小企業発展のための戦略的行動計画 2016-2025(SAP SMED 2025)」 に基づき、ASEAN加盟国向けに特別組まれたプログラムを通じて、地域の生産ネットワークにおける中小企業の競争力を高めるための協力を続けている。
支援分野と 主な貢献
日本は、日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)を通じて、これまでの「ASEAN中小企業戦略的行動計画(SAP SMED 2015)」の評価を踏まえ、ASEANの「ASEAN中小企業戦略的行動計画 2016-2025(SAP SMED 2025)」の策定を支援した。
ASEANの「ASEAN中小企業戦略的行動計画」の戦略的目標や、これまで実施したJAIFプロジェクトの主な成果を踏まえた、JAIFの支援分野は以下の通り。また、戦略的目標の下でのKPI(重要業績評価指標)をモニタリングするための包括的な支援は、2016年から2020年にかけてJAIFが実施したものである。
JAIFフラッグシップ・プロジェクト 中小零細企業傘下の
日本は、「ASEAN中小企業発展のための戦略的行動計画 2016-2025(SAP SMED 2025)」 に基づき、ASEAN加盟国向けにカスタマイズしたプログラムを通じて、特に起業家精神と人的資本開発の分野で中小企業の発展を支援している。そのひとつが「ASEAN起業家メンターシップ・ネットワーク(AMEN)」である。
AMEN の積極的な指導者であるVirgilio氏は、自身の経験を共有した。 メンターを養成するAMENプロジェクトは波及効果があり、1人のメンターが生涯で20〜50人のメンターを養成すれば、メンターへの投資の費用対効果は非常に大きい。 彼は、このプロジェクトを通じて接したメンティの人生に、数々の良い影響を目の当たりにしてきた。
セブ市でセミオーダーの婦人服店を経営していたメンティーの1人は、現在マニラで支店を増やして成功している。そして彼女自身がAMENプロジェクトのメンターとなり、次世代のメンティーを育てている。また、レストランを経営する男性は、新型コロナウイルス感染症の大流行で大きな打撃を受けたが、店のメニューと妻の手作りのお菓子を組み合わせた地域密着型のケータリングビジネスに転換することで、1日10ドルの売上を600ドルまで回復させることに成功した。こうしたマイクロビジネスの着実な成長が、 多くの家庭を支え、さらにその先へとつながっていくのである。
ASEAN地域全体の中小零細企業の数は、膨大である。ASEAN全域で、中小零細企業はそれぞれの国の全事業体の90%以上を占めている。これらの中小零細企業が生み出す雇用、売上、投資は計り知れない。すなわち中小零細企業は、国を不況から脱却させるための鍵なのだ。メンターシップはASEAN経済統合を実現するための重要なツールであり、それを持続させなければならない、とVirgilio氏は熱く語る。詳しくは、受益者の声を参照。
「起業家ネットワークのためのASEANメンター制度(AMEN)フェーズ2」はプロジェクトは完了し、AMENメンターシップ機構の設立を目指すための官民パートナーシップのフォーカルポイントを特定し、新たに105人のメンターを登録するとともに、ASEAN全加盟国の少なくとも296の中小企業を支援した。さらに、現在は「中小零細企業のデジタル化評価のための診断ツール開発」プロジェクトが実施されている。同プロジェクトは、中小企業がデジタル化の需要とギャップを評価するための自己診断プラットフォームを提供することを目的としている。この診断ツールは、中小零細企業に適したデジタルスキルセットやツール、ソリューションに関する情報を提供するための枠組みやメカニズムを構築し、適切な事業開発支援サービスを提供するものである。