JAIFマネージメントチーム
若者は前向きな変化をもたらす原動力と見なされる。充実した学習機会や異文化体験を通じて、若者の多様な情熱や可能性を支援することは極めて重要だ。2007年に開催された第2回東アジア首脳会議において、当時の安倍晋三首相は、大規模な青少年交流イニシアティブである「東アジア青少年第交流JENESYS(ジェネシス)」を発表した。日・ASEAN統合基金(JAIF)の支援のもと、JENESYSは2007年に開始されて以来、日本とASEAN加盟国の若者たちに多くの機会と経験を提供してきた。JENESYSの文化交流活動は、日本とASEAN加盟国を含むアジア太平洋地域とのつながりを強化する役割を果たしている。
多くのJENESYS卒業生たちにとって、文化交流は日本でのホームステイから始まった。そこでは日本の日常生活を垣間見ることができ、ホストファミリーやトレーナー/先生、他の交換留学生などと深い繋がりを築いた。このような経験は、参加者が、学んだことを活かして、母国に積極的に貢献するきっかけとなることが多い。
以下は、フィリピン、ラオス、インドネシア出身の3人の参加者が語った、交換留学プログラムでの体験である。

評判
Mary Joy Tabal (Philippines)
© Japan International Cooperation Center(JICE)
世界のトップレベルで競い合うことができる国の一つである日本を訪れ、若手選手を対象としたJENESYSに参加できたことを大変うれしく思います。
夢の実現に向けた道を走るメアリー・ジョイ・タバル(フィリピン) ー 夢の実現に向けた道を走る
Mary Joy Tabal 氏はフィリピン出身のマラソン走者で、過去にJENESYSに参加した。2014年9月、同氏はマラソン走者のためのJENESYSプログラムに参加し、東京オリンピック予選に向けてトレーニングを積んだ。Mary氏は日本を愛し、日本の文化、食べ物、そして親切な人々が大好きだ。
日本はMary氏にとって、技術を磨き、さらなる高みを目指すための理想的な環境であった。プログラムでは、東京と山梨のトレーニング施設やレース会場を訪れた。山梨学院大学の学生たちとのトレーニングでは、同年代のアスリートたちとの合同練習で感銘を受けたという。
「世界トップレベルで戦える日本で、若手アスリート向けのJENESYS2.0に参加できて、本当に良かったです」とMary氏は語った。
プログラム終了後、Mary氏はフィリピンのトップアスリートの一人として、日本で得た見識を母国で広めるとともに、恵まれない子どもたちに走り方を教える草の根運動も行った。
同氏は2016年にリオ・オリンピックに出場し、翌年には東南アジア競技大会の女子マラソン部門で金メダルを獲得した。

評判
Soupavanh Senesavath (Lao PDR)
工学分野での女性の活躍を推進
JENESYSへの参加をきっかけに、日本への留学に興味を持つようになりました。広島を訪れた際には、日本の学生が外国人に対してとても親切で、温かく受け入れてくれる姿に深く感銘を受けました。

© Japan International Cooperation Center(JICE)
スーパヴァン・セネサヴァット(ラオス人民民主共和国) ー 工学分野での女性の活躍を推進
Soupavanh Senesavath氏はラオス出身のJENESYS参加者だ。同氏は2015年に交換留学プログラムに参加し、日本の温かい文化に魅了された。交換留学プログラムでの思い出に残る経験が、再び日本で高等教育を受ける決意を後押しした。
「日本で学びたいと思ったのは、JENESYSがきっかけでした。広島を訪問した際、日本の学生が、外国人に対してとても親切で、快く受け入れてくれたことに感銘を受けました。」
Soupavanh氏は現在、福岡県にある九州大学で土木工学の博士号取得を目指している。静かで落ち着いた福岡での生活を楽しみつつ、教授と密に連携しながら研究を進めている。
帰国後は、大学で学んだことを活かしてラオスの社会に貢献することを目指している。さらに、現在男性優位の土木工学分野における女性の見られ方を今後変えていきたいと強く思っている。

評判
Siti Salsabila (Indonesia)
文化交流の推進
JENESYSプログラムに参加する前は、物事をインドネシア人としての視点からしか見ることができませんでした。しかし、参加後は、日本の視点だけでなく、ASEANを含む他国の視点からも物事を捉えられるようになりました。

© Prime Minister’s Office of Japan
シティ・サルサビラ(インドネシア) ー 文化交流の推進
Siti Salsabila氏は、2021年の交換留学プログラムを通じて日本を訪れたことで、共感力が芽生えたという。インドネシア出身でJENESYSプログラムの参加者であるSiti氏は、プログラムを通じて得た貴重な学びについて語った。
「JENESYSプログラムに参加する前は、インドネシア人としての視点しか持っていませんでした。同プログラムを通じて、日本やASEAN諸国を含む、インドネシア以外の国々の視点から物事を見ることができるようになりました。」
人生が変わるほどの経験を経て、Siti氏は、日本やASEAN諸国の人々に国際交流プログラムへの参加を勧めている。互いを知ることで、特別な学びを得ることができると同氏は語る。
インドネシアに帰国後も、Siti氏は国と国との文化交流を推進しており、人々が互いに学び合うきっかけになることを願っている。現在、同氏はインドネシアのジャカルタに拠点を置く国際交流基金のアシスタント・コーディネーターとして活躍している。2023年には、ジャカルタで開催された「ジャカルタ日本祭り2023」にて、国際交流基金と共に書道体験活動を主催した。「書道のような日本文化を紹介することで、新たな考え方やインスピレーションを与えることができます。人々の視野を広げ、新しい視点や知識を得たり、あるいは新たな友人ができるかもしれません」とSiti氏は語る。
個人の成長を超えて、JENESYSの参加者たちはその経験を活かし、地域社会における前向きな変化を推進するとともに、日本とASEAN加盟国の友好と協力の強化に貢献している。交換留学期間に得た、国際的な課題への新たな洞察力や異文化コミュニケーションスキルを発揮し、多くの卒業生が外交や教育などの分野でキャリアを積んでいる。
JENESYSプログラムは、異文化理解を促進し、若者同士の持続的な繋がりを築くことに尽力している。同プログラムは、参加者に国境を越えた変革的な経験を提供し、洞察力を育んできた。これまでに47,000人以上の若者が、JENESYSプログラムに参加している。また、JENESYSは定期的に同窓会や共同プロジェクトを開催することで、卒業生同士の繋がりを保っている。
青少年分野における日本の取り組みは、青少年に関するASEAN行動計画(2021-2025)に基づいている。日本政府は日・ASEAN統合基金(JAIF)を通じて「対日理解促進交流プログラム(JENESYS)」を支援している。
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