日ASEAN医療品リスク管理計画研修

提案者:インドネシア医薬品食品監督庁
実施機関:インドネシア医薬品食品監督庁、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)、インドネシア大学薬学部からなる組織委員会

背景

医薬品の規制の調和は、医薬品の品質や安全性を損なわわれることなく、貿易における技術的な障壁をなくしていくために、ますます重要な役割を担っている。各国それぞれの規制が適用される場合、製品が承認されるまでに追加の試験や審査が必要になることがあり、これにより審査期間が延び、費用がかさむことで、命を救う可能性がある医薬品への患者のアクセスが遅れる原因となっている。このためASEANでは、医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドラインに基づく地域ガイドラインの開発を通じて、ASEAN加盟国間での医薬品規制の調和を進めている。

リスク管理計画(RMP)とは、医薬品規制調和国際会議(ICH)が開発した、医薬品の安全性プロファイルに関する情報を提供する重要な文書である。これにより、規制当局は安全性についての情報をより効果的かつ効率的に共有できる。リスク管理計画の遵守を確実にするための取り組みとして、ASEAN加盟国間での共通理解を得るための、地域レベルでの研修ワークショップが必要である。

本プロジェクトは、医薬品規制の調和について、日本とASEANのリソースとノウハウを活用することを目的としている。プロジェクトには、日本の厚生労働省が管理するPMDA 医薬品・医療機器アジアトレーニングセンター(PMDA-ATC)などのプラットフォームを通じて、日本の医薬品・医療機器規制分野の専門家らが参加する予定。

プロジェクトは何を目指している?

本プロジェクトでは、2年間にわたって以下の活動を実施し、ASEAN規制当局の能力を向上させることを目的としている。プロジェクトの初年度には基礎研修とシンポジウムが実施され、2年目はより高度な内容が取り上げられる予定:

  • ASEAN全加盟国の規制当局関係者を対象とした、リスク管理計画(RMP)に関する2回の研修ワークショップ
  • リスク管理計画(RMP)に関する重要な規制情報を広め、規制当局と産業界との意見交換を促進するための、2回のシンポジウム実施と2つの報告書作成

ASEAN加盟国の規制当局間の相乗効果と協力により、調和された規制と要件を策定することで、すでに同じ基準を持っているため、国が冗長な手続きを行わずに済むことが期待される。このように、ASEAN加盟国は、規制や要件に関して、一つの国、一つの共同体として行動し、実行していく。

Sochart Chongrasert氏の発言

ASEAN標準・品質諮問委員会医薬品ワーキンググループ(ACCSQ-PPWG)会議 議長

第26回ASEAN標準・品質諮問委員会医薬品ワーキンググループ(ACCSQ-PPWG)会議

2018年11月6日~8日

インドネシア・ジャカルタ

「日ASEAN医療品リスク管理計画研修」プロジェクトは、「日・ASEAN友好協力に関するビジョン・ステートメント 実施計画改訂版」に明記された「質の高い保健サービス,医薬品及び医療機器の拡大のための協力」を促進するものである。さらに、「ASEAN経済共同体(AEC)ブループリント2025」の「A.1.10: 円滑な標準化と適合に向けた取り組み」にも貢献している。

2021年2月28日